研究概要 |
複合型培養皮膚の足場(スキャフォールド)の作製 培養した表皮を播種する足場となるマトリックスの作製方法を模索した。過去に使用してきたコラーゲンとヒアルロン酸を加工して作製した人工真皮(2003~2004年度科学研究補助金#15791030)では基底膜の再現に限界があった。本研究ではラット皮膚、あるいは口蓋粘膜を全層で採取し、表皮角化細胞を採取した後に、真皮層を無細胞化して無細胞真皮を作製することにした。無細胞真皮は基底層やコラーゲン構築が一番生理的な状態に近いという点で優れているためである。作製方法は過去に報告されている化学薬品を用いた方法で(ブタ由来無細胞真皮マトリックスを担体としたヒト複合型培養皮膚の開発.山口亮ほか医学と生物学第148号第7巻12-18,2004.)まずおこなった。ラットの有毛皮膚(腹部、背部)、無毛皮膚(足底)および硬口蓋粘膜より1cm大の全層組織を採取し無細胞化をおこなった。いずれの組織においてもHE染色像で確実な無細胞化を確認できた。今後特殊免疫染色で同サンプルの基底膜組織の状態を評価したいと考えている。また無細胞化において他の方法も検討していきたい。
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