腸管の虚血障害メカニズムの解明に向けて、経時的代謝モニタリングとしてのマイクロダイアリシスカテーテルの虚血部腸管への留置方法を確立した。 上記方法を用いて、ラット小腸虚血モデルに対して壊死腸管局所に留置したマイクロダイアリシスを用いて経時的な代謝産物(乳酸、ピルビン酸、グリセロール、ブドウ糖)の測定を行い、代謝産物の測定値の推移に一定の傾向を認めた。 病理組織学的な虚血の評価を加えることで、組織障害の程度と代謝産物の推移との関連を検討している。 ラット腸管虚血により発生した腹水に対しても代謝産物の測定を行い、マイクロダイアリシスの測定値および組織障害の程度との関連を検討している。 ラット小腸虚血モデルを作成するに当たって、血管の結紮による単純な血流の途絶では、腸管に対して虚血による障害を与えない場合があることが判明したため、小腸虚血モデル作成においてもさらなる検討、検証を重ねている。
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