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2009 年度 実績報告書

細胞間隙経路を介したA群レンサ球菌の上皮バリア突破機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20791336
研究機関大阪大学

研究代表者

住友 倫子  大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (50423421)

キーワードレンサ球菌 / 病原因子 / 組織侵入 / 細胞間隙 / 上皮バリア
研究概要

劇症型レンサ球菌感染症などのA群レンサ球菌(GAS ; Group A streptococci)が惹起する侵襲性疾患は、物理バリアである上皮細胞層を突破したGASが宿主組織内に侵入し,増殖することにより発症すると考えられている.昨年度までの当該研究において,溶血毒素であるストレプトリジンS(SLS)がGASの上皮バリア突破機構に関与することを見いだした.本年度は,SLSが誘導する宿主細胞間相互作用に着目し,GASの上皮バリア突破機構に宿主プロテアーゼが関与するか否かを検討した.
ヒト大腸粘膜上皮細胞(Caco-2)をトランスウェルシステムで培養し,上皮細胞バリアのin vitroモデルとして用いた.宿主細胞内システインプロテアーゼであるカルパインに対する阻害剤で処理した上皮バリアモデルに,劇症型GAS感染症由来のNIH35株(M28型),およびそのSLS欠失株を感染させ,GASの上皮バリア通過能および感染細胞の経上皮電気抵抗値(TER)を測定した.SLS欠失株の上皮バリァ通過能は,カルパイン阻害剤の有無に関係なく一定であった.一方,野生株の上皮バリア通過能は,カルパイン阻害剤の添加により低下し,感染細胞におけるTERの低下は抑制された.また,GAS感染が誘導する宿主細胞間相互作用を,共焦点蛍光レーザー顕微鏡による観察により解析した.その結果.野生株感染細胞では,細胞内プロテアーゼであるカルパインの細胞間隙部位における局在が認められ,オクルディンおよびE-カドヘリンの分解も観察された.
以上の結果より,SLSが誘導するGASの上皮バリア突破機構には宿主プロテアーゼであるカルパインが関与することを明らかにした.

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Pili of oral Streptococcas sanguinis bind to fibronectin and contribute to cell adhesion.2010

    • 著者名/発表者名
      Okahashi, N.
    • 雑誌名

      Biochemical and biophysical research communications 391

      ページ: 1192-1196

    • 査読あり
  • [学会発表] A群レンサ球菌の上皮バリア突破機構に関与する宿主プロテアーゼの解析2010

    • 著者名/発表者名
      住友倫子
    • 学会等名
      第83回 日本細菌学会 総会
    • 発表場所
      横浜市
    • 年月日
      20100327-20100329
  • [学会発表] 宿主細胞間接着分子の破壊に関与するA群レンサ球菌プロテアーゼの検索2010

    • 著者名/発表者名
      東野美晴
    • 学会等名
      第83回 日本細菌学会 総会
    • 発表場所
      横浜市
    • 年月日
      20100327-20100329
  • [学会発表] A群レンサ球菌が産生する線毛の細胞壁架橋機構の解析2010

    • 著者名/発表者名
      中田匡宣
    • 学会等名
      第83回 日本細菌学会 総会
    • 発表場所
      横浜市
    • 年月日
      20100327-20100329
  • [学会発表] A群レンサ球菌の上皮バリア突破機構に関与する宿主プロテアーゼの検索2010

    • 著者名/発表者名
      住友倫子
    • 学会等名
      特定領域研究「感染現象のマトリックス」第8回 感染症沖縄フォーラム
    • 発表場所
      那覇市
    • 年月日
      20100211-20100213
  • [学会発表] カルボシステインによるヒト肺胞上皮細胞への付着抑制効果2009

    • 著者名/発表者名
      住友倫子
    • 学会等名
      第52回 日本感染症学会 中日本地方会
    • 発表場所
      名古屋市
    • 年月日
      20091126-20091128
  • [学会発表] Group A streptococci translocates across epithelial barrier via intercellular junction cleavage2009

    • 著者名/発表者名
      Sumitomo, T.
    • 学会等名
      American Society for Microbiology General 109^<th> Meeting
    • 発表場所
      Pennsylvania, USA
    • 年月日
      20090517-20090521
  • [備考]

    • URL

      http://web.dent.osaka-u.ac.jp/~mcrbio/

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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