これまでに内毒素(LPS)により耳下腺AQP5の発現がdown-regulationされ、これにNF-κB及びMAPKの2つの経路が関係していること、及び免疫沈降による解析から転写因子NF-κB(P65)とAP1(p-c-Junとc-Fos)がLPSによる複合体になることを見出した。 本研究ではマウス耳下腺から抽出したgenome DNAをtemplateとしてAQP5遺伝子のプロモーター(2100~500bpそれぞれ7種類プロモーター)をレポータープラスミドpGL4(Promega)のホタルルシフェラーゼ遺伝子上流に結合させた。さらに構築したプラスミドをMLE-12細胞(AQp5を発現する)あるいはHSG、RAW264.7及びCHO細胞(AQP5を発現しない)に導入し、Dual-Luciferase Reporter Assay Systemにより活性を測定した。その結果、いずれも2つのNF-κB応答配列を含むプロモーターのプラスミドの活性が一番高いことが明らかになった。さらに、このgeobme DNAをtemplateとしてc-Fos遺伝子をMLE-12及びRAW264.7細胞に導入し、c-Fosの高発現細胞を作成した。RAW264.7細胞も免疫沈降による解析からNF-κB(p65)とAP1(p-c-Junとc-Fos)がLPSによる複合体になることも証明された。今後、これら細胞を用い、LPSによるAQP5のダウンレギュレーションのメカニズムを追究する。
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