研究課題
Functional MRIを用いて顎顔面領域の一部を担っている「口唇」の機能評価を行うことが本研究の目的である。口唇機能の多くは体性感覚か運動感覚に属している。具体的には摂食行動に必要な触覚や温度感覚、発語や表情に重要な役割を果たす運動機能といった様々な感覚を口唇は有している。そこで口唇の体性感覚と運動感覚を統合的に捉え、それぞれの大脳皮質支配領域を同定し、更には体性感覚の中でもFunctional MRIで報告されていない温度感覚を付加することにより、口唇の中枢レベルの機能を解明することが本研究の最終目標となる。本年度は・触覚刺激装置の開発、温度感覚刺激装置の開発、触覚・温度感覚複合刺激の開発を行った。触覚刺激装置の開発においては、Velcroを用いて口唇を定量的に刺激する装置を開発した。MRIの中でHead Coilの隙間を利用し、被験者の口唇位置にVelcroが垂直的に動く装置を開発し、Functlonal MRI中の口唇触覚刺激が可能となった。温度感覚刺激装置としては、循環水による温度刺激を開発した。口唇にテフロンチューブを固定し、内部に常温水、冷水を交互に循環させることで温度刺激を行うことは可能となった。触覚・温度感覚複合刺激装置の開発においては本年度で開発予定であったが、触覚と温度感覚を同時に刺激することが困難であり、次年度への継続課題として開発を続ける。これらの刺激装置を用いて、健常被験者でのFunctional MRI撮像を行う予定であるが、現在、本学倫理委員会に被験者実験の検討を申請中である。
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Ann Nucl Med 22
ページ: 587-593