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2009 年度 実績報告書

新規分子間相互作用を介したMMPの生理的・病理的機能発現機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20791378
研究機関国立長寿医療センター(研究所)

研究代表者

江口 傑徳  独立行政法人国立長寿医療研究センター, 口腔疾患研究部, 室長 (20457229)

キーワードMMP-3 / マイクロアレイ / PEXドメイン / HSP70B^' (HSPA6) / ストレス耐性 / 遺伝子発現 / 転写
研究概要

組織のリモデリングや血管新生に関わる因子MMP-3が,転写調節因子として組織再生遺伝子CTGF/CCN2の発現を促進するという新しい知見に基づき,そのターゲット遺伝子をマイクロアレイによって網羅的に解析しました.各種プラスミドベクターの遺伝子導入によって,293細胞内部に全長MMP3,PEXドメイン,Catドメインをそれぞれ発現させ,空ベクター導入をコントロールとし,それらの4種類の条件で総RNAを回収後,cDNAを合成してマイクロアレイに供しました.28869遺伝子について解析した結果,最も発現変動があった遺伝子は,HSP70B^'(HSPA6)でした.HSP70B^'遺伝子は細胞にストレス耐性を与える遺伝子であり,コントロールと比較して,細胞内全長MMP3によって12.6倍,PEXドメインによって9.1倍,遺伝子発現が上昇しましたが,Catドメインによっては変化しませんでした.その他の遺伝子の発現変動は,0.36~2.8倍の範囲内でした.HsP70B^'の発現変動をqRT-PCRで解析したところ,細胞内全長MMP3によって150倍程度その発現が上昇し,PEXドメインによっては70倍程度の上昇を認め,またCatドメインによっては変化しませんでした.これらの結果から分かることは,細胞内MMP3はストレス耐性遺伝子HSP70B^'を特異的に発現誘導することと,その誘導の主体はPEXドメインであること,Catドメインは補助的な役割を果たすことです.この知見は,細胞内MMP3が細胞にストレス耐性を与えるというポジティブな新機能をもつことを明らかにしたものであり,生体における感染制御および酸化ストレスの処理にとって意義深い重要な知見です.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Role of the low-density lipoprotein receptor-related protein-1 in regulation of chondrocyte differentiation.2010

    • 著者名/発表者名
      Kawata Kazumi, et al.
    • 雑誌名

      J Cell Physiol. 222(1)

      ページ: 138-48

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Regulation of chondrocytic phenotype by micro RNA 18a : involvement of Ccn2/Ctgf as a major target gene.2009

    • 著者名/発表者名
      Ohgawara Tbshihiro, et al.
    • 雑誌名

      FEBS Lett. 583(6)

      ページ: 1006-10

    • 査読あり
  • [学会発表] MMP3はクロマチンに局在し、CCNファミリー遺伝子を制御する.2009

    • 著者名/発表者名
      江口傑徳, 他
    • 学会等名
      第32回日本分子生物学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜)
    • 年月日
      2009-12-09
  • [学会発表] ヒトMMP3は新規の転写因子様機能によりCTGF/CCN2遺伝子を制御する.2009

    • 著者名/発表者名
      江口傑徳
    • 学会等名
      第30回岡山歯学会(奨励論文賞受賞講演)
    • 発表場所
      岡山大学歯学部
    • 年月日
      2009-11-08
  • [図書] CCN proteins in health and disease : An overview of the Fifth InternationaI Workshop on the CCN family of genes2010

    • 著者名/発表者名
      Eguchi Takanori, et al.
    • 総ページ数
      10
    • 出版者
      シュプリンガー
  • [図書] ヒストンアセチル化制御薬を用いたHMGB1の放出制御2009

    • 著者名/発表者名
      杉浦進介、江口傑徳, 他
    • 総ページ数
      118
    • 出版者
      医学図書出版

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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