マウスES細胞(mouse embryonic stem cells)を用いた象牙質再生を目的に、象牙芽細胞分化誘導メカニズムについて基礎的検討を行った。その結果、RA (レチノイン酸)とBMP (bone morphogenetic protein) -4の添加による象牙芽細胞分化誘導により、長楕円型への明瞭な形態学的変化と象牙質分化マーカー(DSPPとDSP)が観察された。さらに、細胞表層タンパクintegrin α2β1、α6β1とαVβ1の発現が観察され、ラミニン-1とコラーゲンタイプIといった歯髄創傷治癒過程に関与する細胞外マトリックスに対して強い接着能と運動能を有する象牙芽細胞様細胞に分化することが明らかとなった。
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