本研究では生体活性ガラスの根尖周囲組織の創傷の治癒におよぼす影響に関して、生体活性ガラス粒子径の大きさが、形成される骨組織量と正の相関を持ものか否かを検索することを目的とする。実験動物に、生後7週齢、体重約180gの雄性Sprague-Dawley系ラットをモデルとし、複数の粒子径の生体活性ガラスを応用し、光顕的および電顕的病理組織学的検索、免疫組織学的検索(免疫細胞の動態とサイトカイン・増殖因子)を行い、解析、評価することを目的とする。 現在、生体活性ガラス平均粒子径45μmにおいて、創傷の治癒過程で、生体活性ガラスを骨器質内に封入した状態で、胞体の大きな骨細胞を有した新生骨により満たされている状態が確認された。またコントロール群においては、創腔内の肉芽組織が器質化される過程で、歯槽骨からの骨梁の伸展が認められたが、生体活性ガラス平均粒子径45μmにおいては、歯槽骨からの骨梁の伸展と同時に、生体活性ガラス周囲に接しての新生骨の再生が認められた。その新生骨および生体活性ガラス周囲には、多くの骨芽細胞様細胞、コラーゲン線維を認めた。 必要部位を免疫組織学的に試料を作製し鏡検。すべての試料の分析結果をもとにして、処置部位の組織の応答と、使用した材料との相関関係を検索、分析を行い、その結果の発表をおこなう。
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