| 研究概要 |
インプラントの予知性向上の為には、インプラント体および上部構造に加わる荷重の制御が重要であり、固定性インプラント上部構造に与える咬合に関する指標を確立し、インプラント補綴治療における荷重制御に関する指針を構築するためのデータ取得を目的とし、
1) 機能時にインプラントに加わる荷重の特性を調査する。この際、これまでに当研究室の佐々木らにより、同一センサを用いて測定された歯に加わる生体内三次元荷重データを、本研究で得られるデータとの比較検討コントロールとして利用する。
2) インプラント上部構造に与える咬合接触の点数・面積・位置、咬合接触圧、咬頭傾斜角、咬合様式等を変化させた際のインプラントに加わる荷重を測定、解析し、これら咬合因子がインプラントに加わる荷重に及ぼす影響に関して解明する。さらに咀嚼筋走行方向、顎顔面形態等の生体力学的な因子が荷重に与える影響に関しても同様に検討する。
今年度は、右下5, 6部にインプラントが2本埋入されている被験者1名に三次元荷重測定装置を生体内応用した。上部構造の連結・非連結の各場合において、随意的最大咬みしめ(MVC)、ワックス片咬みしめ(WAX)時の荷重測定・分析を行い、2本のインプラントに加わる総荷重量は両タスクで、連結・非連結間で有意差がないこと、MVCでは、各インプラントに加わる荷重が、非連結で右下6に加わる荷重が右下5よりも有意に大きく、連結で荷重量は各インプラントに分散すること、荷重方向は、連結に比較して非連結で、右下5, 6間で大きく異なる傾向を示すこと、WAXでは、各インプラントに加わる荷重の大きさ, 方向は, 連結・非連結間で有意差はないことを明らかした。
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