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2010 年度 実績報告書

義歯の形態と発音障害との関係

研究課題

研究課題/領域番号 20791421
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

犬飼 周佑  東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (90436650)

キーワード発音機能評価 / 補綴処置 / 義歯の形態 / チェアサイド / 音声認識プログラム
研究概要

発音機能は,ヒトがコミュニケーションを行う上で重要な口腔機能であり,欠損補綴処置により回復を図ることができる。しかし不適切な形態の補綴装置の装着で発音機能障害を引き起こすこともある。そこで,簡便な録音機器とノートパソコンにて発音時の音声パターンを符号に変換し,ラベル表示する音声認識システムを導入してチェアサイドで補綴処置の効果を判定可能な評価システムを開発した。これまでに上顎義歯の前歯部被蓋やS状隆起の形態を変えた際の[シ]音の発音の違いを評価し,発音機能に有利な設計について検討を行った。
1年目に,発音障害の生じやすい複数の音節を健常歯列者で分析し,義歯装着者と比較して発音機能評価の被験音、被験語が適切か,健常歯列者の数値を評価基準として使用できるかについて検討した。
2年目に,上顎義歯の大連結子の走行が発音機能に及ぼす影響について分析検討し,中パラタルバー装着時は未装着時と比較してどの被験音についても子音部の適正ラベルの認識率に有意な差が認められなかったが,斜走行バー装着時は,中パラタルバーと比較して認識率は低く,データのばらつきが大きい傾向を示した。
3年目である今年度は,下顎義歯の大連結子の形態が発音機能に及ぼす影響について分析検討し,上下顎での比較についても分析を行った。
その結果,リンガルバーは発音の観点からも障害は少なく,望ましい傾向を示し,一方リンガルプレートは他装置よりも舌感が良く,段差が少ないためか発音への影響が少なく,後続母音[エ,オ]の被験語において認識率が高い傾向を示した.咬合挙上を想定した切縁被覆タイプでは発音時の呼気流が変わるためか[シ,ヒ,チ,リ]を含む4被験語で発音障害が認められた。
今後も引き続き,健常歯列者の測定,分析に加えて,義歯装着者にて評価を行い,義歯の形態の違いが発音機能に与える影響を明らかにする。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 日本語発話の発音誤り検出における留学生と日本人学生との対比-音声セグメント技術による「じ」と「ち」の弁別を中心として-2010

    • 著者名/発表者名
      松浦博, 秀島雅之, 和田淳一郎, 犬飼周佑, 安藤智宏, 五十嵐順正, 永江尚義
    • 雑誌名

      日本音響学会誌

      巻: 66(8) ページ: 370-380

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 聴覚障害者のための音声セグメントラベルに基づく声道断面動画による発音の視覚化2010

    • 著者名/発表者名
      松浦博, 近藤洋, 内山継史, 田中哲男, 岡崎彰夫, 秀島雅之, 和田淳一郎, 安藤智宏, 犬飼周佑, 五十嵐順正
    • 雑誌名

      日本音響学会2010年春季研究発表会抄録集

      巻: 1-R-11 ページ: 61

  • [学会発表] 上顎義歯の大連結子の走行が発語機能に及ぼす影響2010

    • 著者名/発表者名
      和田淳一郎,秀島雅之,犬飼周佑,安藤智宏,五十嵐順正,松浦博
    • 学会等名
      第75回口腔病学会学術大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2010-12-04
  • [学会発表] Assessment of the Consonants Pronunciation in Subjects with Sound Dentition2010

    • 著者名/発表者名
      Hideshima M
    • 学会等名
      88th General Session and Exhibition of the IADR
    • 発表場所
      Barcelona, Spain
    • 年月日
      2010-07-15

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公開日: 2012-07-19  

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