研究概要 |
メラミンフォームが義歯の清掃に使用できるかどうかを検討するために, 各種レジンを臨床で一般に行っている方法で研磨した場合とメラミン・オームで研磨した場合の表面性状を比較した. 義歯床用レジンとしてクイックアクロン, アクロンMC, ポリペースII, リライン材としてトクヤマリベースII, 汎用レジンとしてユニファストIIIを用い, メーカー指示に従い試料を作製した.各試料を, EDポイントコース, EDポイントファイン, ポリサンド, ブライトルージュ, 圧縮メラミンフォームで研磨したもの, および研磨なしのコントロールについて, 超深度形状測定顕微鏡を用いてカラー超深度画像を観察し, 表面粗さを測定した. その後, クイックアクロン試料の走査型電子顕微鏡像を観察した. コントロール以外の試料ではいずれにも摩耗痕が観察され, メラミンフォームで研磨した試料は, ルージュで研磨した試料に類似した表面像を示した.表面粗さに対して二元配置分散分析を行った結果, 研磨法の寄与率が約94%となり, 表面粗さは研磨法に依存することがわかった.そこで, レジン種別に, 研磨方法間での表面粗さの比較検討を行ったところ, すべてのレジンにおいてルージュ, メラミンフォーム, コントロール間に有意差は認められなかった.走査型電子顕微鏡像においては.ルージュ, 圧縮メラミンフォームではかすかな線状痕と点状痕がみられ, 類似した画像を示した. 臨床における義歯の最終研磨はルージュであり, 今回の実験においてメラミンフォームによる研磨がルージュによる研磨と有意差なかったことから, 義歯ブラシや義歯洗浄剤では落ちない汚れの清掃にメラミンフォームを使用できる可能性が示唆された.
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