ジルコニアを用いた実験ということで、基礎的な知識、データを習得するためにFTIRやXRDそしてSEM観察、強度試験(曲げ強さなど)などを行った。このことにより、ジルコニアの性質、機械的強さを知ることができた。また今回、用いたジルコニアは2種(Y-TZPとNANOZR)であり、これらの違いについても知ることができ、このことから、クラスプにはNANOZRが適しているのではないかと考えた。また、ジルコニアを義歯に応用するということで、レジンの重合時の温度による低温劣化が生じないかどうか、確認を行った。その結果、強度の大幅な低下というのは認められなかった。今年度の研究目的・研究実施計画にある、ジルコニアの疲労試験を行うための予備実験として片持ち梁試験を行うこととした。そのために、いくつかの厚みの異なる試料作製のため、オイルカッターを用いてジルコニアブロックを薄い板病の試料にカットした。これらのカットを含めた試料の調整に時間を要した。ジルコニアブロックから、0.1、0.3、0.5、1.2そして3.0mmの厚さの板状試料を調製した。その後、片持ち梁試験を行うジグの設計を行った。設計したジグの作製を谷山テクノスに依頼。予定としていた片持ち梁試験および疲労試験は行うととができなかったので次年度に行っていく予定である。また、クラスプ用の試料の作製に関して、検討を行ったところ両翼鉤の形態を再現することは難しいということで、両翼鉤ではなく、バータイプのクラスプとすることとした。
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