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2009 年度 実績報告書

ビデオ内視鏡を用いた在宅高齢者の食と栄養に対する歯科的アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 20791438
研究機関岩手医科大学

研究代表者

古屋 純一  岩手医科大学, 歯学部, 講師 (10419715)

キーワード摂食・嚥下 / ビデオ内視鏡 / 咀嚼機能 / 高齢者 / 嚥下機能
研究概要

健常有歯顎者を対象に、申請者のこれまでの液体命令嚥下における研究成果と、昨年度の半固形状食品の咀嚼・嚥下における研究成果を応用して、ビデオ内視鏡を用いた自由咀嚼時における食塊形成に関する研究を行い、特に、食品物性による変化、また、従来の咀嚼機能評価法のうち混合能力試験との比較検討を行った。
被験者は健常有歯顎者6名(平均年齢26.8歳)とした。経鼻的にビデオ内視鏡を挿入し、中咽頭全体が観察できる位置にて固定し、2種類の被験食品(白色・緑色の2色米飯と2色ういろう、各12g)を、咀嚼回数を規定(10、15、20、30回)して摂食させ、内視鏡画像をデジタルビデオカメラに記録した。データをパーソナルコンピュータ上に取り込み、画像解析用ソフトにて内視鏡レンズによる歪みを距離補正して除去した後に、動画解析用ソフトを用いて食塊形成度の計測を行った。食塊形成度は、ホワイトアウト直前の食塊における2色の混合度(食塊中の白色部分以外の面積÷食塊の全面積×100)とした。
米飯では、咀嚼回数が増えるにしたがい食塊形成度が有意に増加した。ういろうにおいても米飯と同様に、咀嚼回数に伴って有意に食塊形成度が増加した。米飯とういろうの比較では、咀嚼回数による食塊形成度の変化はういろうで大きく観察された。米飯は粒状のため混和がういろうより容易なため、ういろうで咀嚼回数の影響をより反映したと考えられた。ワックスキューブを用いた混合能力試験においても、咀嚼回数が増加するに従い混合値が有意に増加しており、食品性状の違いに関わらず、ビデオ内視鏡を応用した咀嚼機能の定量的評価が実施可能であったこと、また、従来の咀嚼機能評価法と同様の結果を呈したことから、これまで単二に評価されてきた混和や咬断などの咀嚼機能を、ビデオ内視鏡を用いて包括的に評価できる可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 大学病院歯科医療センターにおける摂食・嚥下リハビリテーションの現状とその効果2009

    • 著者名/発表者名
      古屋純一
    • 雑誌名

      老年歯科医学 24

      ページ: 37-47

    • 査読あり
  • [学会発表] Application of videoendoscopy to objective evaluation of masticatory function2010

    • 著者名/発表者名
      古屋純一
    • 学会等名
      Dysphagia Research Society 2010 annual meeting
    • 発表場所
      US Grant, SanDiego(米)
    • 年月日
      2010-03-04
  • [学会発表] 咀嚼機能の客観的評価に対するビデオ内視鏡の応用2009

    • 著者名/発表者名
      古屋純一
    • 学会等名
      第15回日本摂食・嚥下リハビリテーション学会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(愛知)
    • 年月日
      2009-08-28
  • [学会発表] 栄養摂取法と口腔機能の関連2009

    • 著者名/発表者名
      古屋純一
    • 学会等名
      第20回日本老年歯科医学会学術大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川)
    • 年月日
      2009-06-20
  • [学会発表] 嚥下内視鏡を用いた食塊形成機能の客観的評価の試み2009

    • 著者名/発表者名
      古屋純一
    • 学会等名
      第118回日本補綴歯科学会学術大会
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都)
    • 年月日
      2009-06-06

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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