Msx1のin vitroおよびin vivoにおける脱分化誘導能を調べる目的で、アデノウイルスベクターに、mouse msh-like1(human Msx1ホモログ)cDNAとeGFPを搭載した、Ad/msh-eGFPベクターを構築し、クローンを得た。さらにコントロールベクターとして、msh-like1cDNAを搭載しないものも作製した。まず、最初に用いた細胞はラット白色脂肪細胞(タカラバイオ)で、脂肪細胞へと分化誘導した後、作製したアデノウイルスベクターを感染させ、脱分化が起こるかどうかを観察した(Data not shown)。しかしコントロールと比較して差はみられなかったため、C57BL6マウスの骨髄からbone marrow cellを採取し、培養したのち、脂肪細胞分化培地を用いて脂肪細胞に分化させ、感染実験を行った。さらに感染実験後の骨髄細胞よりmRNAを抽出し、脱分化のマーカーであるRUNX2とハウスキーピング遺伝子であるGAPDHでRT-PCRを行い、比較した。次に、マウス皮下脂肪組織より脂肪細胞を単離し、培養した後、アデノウイルスベクターによる感染実験を行った。
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