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2010 年度 実績報告書

羊膜と口腔上皮細胞による培養上皮シートの開発に関する実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20791462
研究機関信州大学

研究代表者

小池 剛史  信州大学, 医学部附属病院, 助教 (60359734)

キーワード移植・再生医療 / 再生医学
研究概要

本研究は、羊膜と口腔上皮細胞を組み合わせることにより、培地に含まれる動物性蛋白や未知因子を完全に排除した環境でも上皮細胞を重層化させる事に成功した。この培養法は世界初の試みといえる。また従来医療廃棄物とされてきた羊膜をscaffoldとして使用する事により、倫理的な問題が生じにくい事も利点といえる。
実験の手順は、1,抜去歯から口腔上皮細胞を単離。2,口腔上皮細胞を継代培養。3,ヒト乾燥羊膜上に培養口腔上皮細胞を播種し、数日間液相下培養。4,無血清培地のカルシウム濃度を上げ、約3週間気相下培養。5,組織標本による形態学的・免疫組織学的検討を行った。
口腔上皮細胞は、ヒト乾燥羊膜上で気相下培養を行っても増殖を続け、培養上皮シートのH-E染色による形態学的検討では、口腔上皮細胞がヒト乾燥羊膜でほぼ均一な約10層以上からなる重層化を認めた。また重層化に伴う核の消失はみられなかった。免疫組織学的検討では、cytokeratin 10/13、laminin-5、ZO-1およびOccludinにおいて、正常な口腔上皮と類似の発現パターンを示した。さらに、上皮stem-cellや上皮の活発な増殖能を示すマーカーであるkeratin-19やPCNAでは、正常な口腔上皮と比べ、培養上皮の全層で陽性細胞の発現が認められた。また、悪性腫瘍と関連のあるP53タンパクの発現は認められなかった。
本実験結果より、ヒト乾燥羊膜と口腔上皮細胞による複合培養重層上皮シートは、正常口腔粘膜上皮と比べ、より高い細胞活性と増殖能を示していた。ヒト乾燥羊膜は、今後の口腔粘膜上皮培養開発における細胞外マトリックスとして、有用かつ妥当な組織であると思われた。本複合培養重層上皮シートは、ヒューマンセルによる培養上皮シート開発における有望な供給源となり得る事が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Cultured epithelial grafting using human amniotic membrane : The potential for using human amniotic epithelial cells as a cultured oral epithelium sheet.2011

    • 著者名/発表者名
      Koike T, Yasuo M, Shimane T, Kobayashi II, Nikaido T, Kurita II.
    • 雑誌名

      Arch Oral Biol.

      巻: (In press)

    • 査読あり
  • [学会発表] An Experimental Study of Cultured Epithelial Grafting Using Human Amnion.2010

    • 著者名/発表者名
      小池剛史
    • 学会等名
      第88回国際歯科学会
    • 発表場所
      バルセロナ、スペイン
    • 年月日
      20100714-20100717
  • [備考]

    • URL

      http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/medicine/chair/i-shika/kenkyu.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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