• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

脳由来神経栄養因子と高分子ヒアルロン酸を用いた歯周組織再生治療薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20791466
研究機関広島大学

研究代表者

武田 克浩  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10452591)

キーワード脳由来神経栄養因子 / 高分子ヒアルロン酸 / 歯周組織再生
研究概要

本研究は、BDNFを歯周組織再生治療に臨床応用することを目的として、安全性の高い高分子ヒアルロン酸複合体とBDNFの組み合わせがin vivoにおける歯周組織再生を促進するかどうかを明らかにすることとした。
雌ビーグル犬の下顎第2、3、4小臼歯にIII級根分岐部歯周組織欠損を作成し、アルジネート印象材を填入することで実験的歯周炎を惹起させた。一週間後、印象材を除去し、ルートプレーニングを行い、歯肉弁を元に戻して縫合した。その後ブラッシングを行うことで、炎症を軽度に抑えた歯周組織を確立した。さらに一週間後、BDNF(5,50,500,2000μg/ml)/高分子ヒアルロン酸複合体を加えて欠損部に充填した。コントロール群として高分子ヒアルロン酸のみを充填した。手術後6週間経過観察した後、灌流固定を行い、組織標本を作製した。切片作成後、ヘマトキシリン・エオジン染色を行い、光学顕微鏡下にて組織観察、組織計測を行った。
BDNF/高分子ヒアルロン酸複合体充填群では、露出象牙質表面の大部分で新生セメント質が観察され、作成した欠損の半分程度まで歯槽骨が再生していた。また、新生セメント質と新生歯槽骨の間には一定の幅を維持した歯周靭帯が存在していた。それに対し、コントロール群では、根分岐部直下に上皮の侵入がみられる標本が多く、歯周組織の再生もほとんど観察されなかった。組織計測においても、BDNF/高分子ヒアルロン酸複合体充填群はコントロール群と比較して、有意に歯槽骨再生、セメント質再生の促進が認められた。
以上の結果から、BDNF/高分子ヒアルロン酸複合体は、歯周組織再生を促進する歯科材料となりうる可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 脳由来神経栄養因子(BDNF)と高分子ピアルロン酸を用いた歯周組織再生療法の開発-高分子ピアルロン酸のヒト歯周靭帯細胞に及ぼす影響-2009

    • 著者名/発表者名
      武田克浩
    • 学会等名
      第129回秋季日本歯科保存学会
    • 発表場所
      仙台市
    • 年月日
      2009-10-29
  • [学会発表] Brain-derived Neurotrophic Factor/Hyaluronic Acid Complex Enhances Periodontal Tissue Regeneration2009

    • 著者名/発表者名
      武田克浩
    • 学会等名
      87th General session and Exhibition of the international association for dental research
    • 発表場所
      Miami, USA
    • 年月日
      2009-04-03

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi