研究概要 |
我々の開発している姿勢検出センサは,愛知製鋼社製のMIセンサが内蔵されており,X, Y, Zの3軸の全方位の姿勢角度の計測が可能である.また,姿勢検出センサ内には送信器も内蔵されており,受信器をUSBによってパーソナルコンピューターと接続することで,リアルタイムに角度変化を観察することができる.さらにデンタルナビゲータと名付けた歯科検査・治療支援機器の開発も行ってきた. 現在,この姿勢検出センサシステムを臨床に応用できるよう様々な改良を行っている.昨年度はセンサを2つ同時に使用できるようにすることで,これまでは地磁場を基準とした絶対的な角度変化しか測定できなかったのだが,現在では任意の基準点からの相対的な角度変化を計測できるようになっている. 本年度は主にセンサユニット自体の改良を試みてきた.MIセンサには磁気センサと加速度センサが内蔵されていて,これらによって角度変化の計測が可能となっている.従来のMIセンサ(AMI601)に用いられていた加速度センサは磁石を用いたカンチレバー方式であった.そのため,磁石に反応するような金属(鉄やコバルトなど)に近づけたり設置したりすると,角度変化に誤差が生じやすくなるという欠点があった.そこで加速度センサに静電容量方式を採用している新型MIセンサAMI602を新たに内蔵させることで,姿勢検出センサの精度も飛躍的に向上した.また,センサユニット自体の大きさも,これまでは52×60×15mmと臨床応用するには大きすぎたのだが,現在は35×23×8mmと小型化にも成功している. この新たな姿勢検出センサは開発の最終段階を迎えており,臨床応用するための形状・性能を十分に備えていると考えている.
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