本研究では正常口腔粘膜の上皮幹細胞マーカーであるΔNp63に着目し、口腔扁平上皮癌(OSCC)の発生や分化および増殖にどのように関与しているかについて検討を行い、さらに、樹状細胞を用いた免疫療法につながるターゲットをしぼるための研究を進めてきた。結果、上皮性異形成の程度が重度になるにつれ、ΔNp63の発現が高くなっていたこと、またその発現が高い上皮性異形成はOSCCへと癌化しやすいことから、ΔNp63の発現がOSCCの発生に関与していることが示唆された。また、ΔNp63はOSCC細胞における分化および増殖に関与していると考えられた。
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