唾液分泌は口腔の機能および健康維持に極めて重要である。口腔乾燥症は老化や放射線照射、シェーグレン症候群に伴って生ずるが、それに対する有効な治療法は少なく対症療法に頼っているのが現状である。実質的な治療は唾液腺再生であるが、これに関する研究は極めて少ない。唾液腺再生医療の開発のためには、まず、唾液腺の発生、分化の分子機構を明らかにする必要があると考えて研究を進めてきた。 唾液腺再生医療を目指して、唾液腺の発生および分化調節分子機構を明らかにする。そのため、(1)マウス顎下腺の器官培養、(2)マウス顎下腺からの細胞の分離および分離細胞の3次元培養による組織再構築、(3)分離顎下腺細胞あるいは切除組織の腎被膜下への移植による器官形成、これらの方法を用いて唾液腺組織の再生機能を検討する。
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