研究課題
本研究は、cDNAマイクロアレイ解析法による癌細胞と正常組織における2万種類を超える遺伝子の発現量の比較解析結果、あるいはSERE文法を用いて同定した腫瘍特異抗原遺伝子の中から、癌特異的に高発現している抗原を厳選し、薬剤耐性の遺伝子を探し出し、化学療法に利用できる蛋白質を同定し、また、ヒト癌の診断ならびに免疫療法に利用できるものを選びだすことを目的としている。これらの抗原分子を同定することによって、化学療法薬剤選択の際の基準としたり、腫瘍マーカーとして癌の進展状況や治療効果の判定に利用するとともに、これらの腫瘍抗原を認識して攻撃する細胞傷害性T細胞(CTL)およびヘルパーT(Th)細胞が存在するか否かを検討して、その抗腫瘍免疫療法への応用を目指すものである。また、我々が同定した薬剤耐性遺伝子や腫瘍抗原の中には、癌遺伝子様の性質をもつものが複数存在しており、これらの抗原遺伝子の癌化への関与を調べると共に、免疫逃避機構の解明とその解除法の開発についても研究を発展させると同時に、薬剤耐性マーカーを決定する。現在、20種類ほどの癌特異抗原分子を同定している状況である。
すべて 2009
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件)
Clinical Cancer Research 17
ページ: 5426-5434
Int J Radial Oncol Biol Phys. 5
ページ: 1347-1352
J Oral Pathol Med. 1
ページ: 41-47