昨年度は癌性疼痛および炎症における神経因性疼痛がラット三叉神経脊髄路角尾側亜角ニューロンに与える影響を病理学的ならびに電気生理学的検討を行った。すなわち、Wstar系ラットに対し癌細胞ならびに炎症物質の摂取を行った。癌細胞(ラット乳癌細胞 : Walker 256B細胞)を、炎症物質(Comp-ete Freud Adlubant : CFA)をラット右側顔面上部に26G針、1mlシリンジを用いて摂取した。癌ならびに急性炎症発症の成否は接種後3日目以降に摂取部位の腫脹が引き起こされているか否かで判断した。また、癌および急性炎症を確認したラットを4、7、10日目にチオペンタールの腹腔内大量投与により安楽死させ、4%パラホルムアルデヒドで灌流固定した後、神経および三叉神経脊髄路角尾側亜核を摘出、凍結しクライオスタットにて厚さ10μmの凍結切片を作成した。これらの組織切片に対しc-fos遺伝子発現をin situ hybridization法にて検討を行った。
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