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2009 年度 実績報告書

顎顔面部外傷性および神経因性疼痛における幹細胞移植による細胞再生メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 20791540
研究機関九州歯科大学

研究代表者

甲斐 絢  九州歯科大学, 歯学部, 特別研修員 (80453231)

キーワード癌性疼痛 / 炎症性疼痛 / 神経幹細胞 / 神経栄養因子 / 三叉神経脊髄路核尾側亜核 / P物質 / カルシトニン遺伝子関連ペプチド / インドメタシン
研究概要

本研究では、癌性疼痛ラットおよび炎症性疼痛ラットに対して、神経幹細胞や神経栄養因子を使用することで疼痛抑制が可能であるかどうかを検討することにある。平成21年度では、癌性疼痛ラットと炎症性疼痛ラットを作製し、行動学的観察ならびに三叉神経節・三叉神経脊髄路核尾側亜核における神経化学的変化について検討を行った。癌性疼痛ラットの作成には、Walker 256B細胞をラット右側鼻毛部に接種した。炎症性疼痛ラットの作成には、Complete Freund's adjuvant(CFA)を同部位に投与した。モデル作成当日から7日後までにわたって疼痛テストを行った。疼痛テストとして、von Frey毛による機械刺激逃避閾値と輻射熱による熱刺激逃避潜時を測定した。機械刺激逃避閾値と輻射熱による熱刺激逃避潜時の低下が、癌性疼痛ラットでは接種後2日目より発生し4-5日目でピークに達したのに対し、炎症性疼痛ラットでは投与翌日より発生し2日目でピークに達した。抗炎症剤のインドメタシン腹腔内投与により、癌性疼痛ラットでは疼痛抑制がほとんど見られなかったのに対し、炎症性疼痛ラットでは強い疼痛抑制効果が見られた。また、三叉神経脊髄路核尾側亜核においてP物質やカルシトニン遺伝子関連ペプチドの発現が、癌性疼痛ラットでは変化が見られなかったのに対し、炎症性疼痛ラットでは強い増強が見られた。これらの結果より、癌性疼痛は炎症による疼痛影響をあまり受けていない可能性が示唆された。この結果はJournal of Dental Researchに掲載された。炎症による神経栄養因子の発現がP物質やカルシトニン遺伝子関連ペプチドの増強を引き起こし、落痛の原因となっていることはよく知られている。今回の結果より、癌性疼痛ラットでは神経栄養因子関連の物質を使った治療は効果が低いかもしれないということを示唆する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Differences between orofacial inflammation and cancerpain.2009

    • 著者名/発表者名
      Harano N, Ono K, Hidaka K, Kai A, Nakanishi O, Inenaga K.
    • 雑誌名

      Journal of Dental Research 89

      ページ: 615-620

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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