研究概要 |
骨細胞にsemaphorin 3Aのリコンビナントタンパク質を作用させたところ,細胞突起の伸張において重要なE11,コネキシン43などのマーカーの発現誘導が起こっていた。また,骨細胞のマーカーであるDMP1のmRNAおよびタンパク質発現も上昇していた.しかしながら,FGF23, SOSTについては発現に変化はなかった。さらに、骨分化の転写因子であるRunx2, osterixについてmRNAの発現誘導を調べたところ,発現が上昇していた。semaphorin 3Aがin vivoで作用するかどうかを調べるために,当初ウサギを用いる計画であったが,費用の面で困難であることから,マウスを用いて解析を行った.マウス大腿骨欠損部に対してsemaphorin 3Aのゼラチンハイドロゲルを用いた組織内徐を行い骨の解析を行った.実験群としてsemaphorin 3Aのゼラチンハイドロゲルを,対照群としてゼラチンハイドロゲルのみを使用した群を反対側の大腿骨に設定した.ゲルの徐放期間は2週間・4週間・6週間とした。骨欠損部の評価はsoft x-rayによる観察を行い,組織切片を作製し骨組織の評価を行ったところ,経時的に骨塩濃の上昇,石灰化領域の増加が認められた.
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