研究概要 |
(1)口腔扁平上皮癌における遺伝子発現プロファイルの解析 ヒト口腔扁平上皮癌細胞株よりmRNAを抽出、in vitro transcriptionで増幅した。これをサンプルとし1て、GeneChip Expression Analysis System(Affymetrix, USA)で遺伝子発現プロファイルの網羅的解析を行った。これを、正常口腔粘膜の粘膜固有層の遺伝子発現プロファイルと比較した。 (2)分子標的治療阻害剤キットでの解析 (1)に用いた細胞を単層培養し、190種類の阻害剤による増殖抑制効果をMTTassayにて解析し、抑制効果の高い因子を同定した。 (3)増殖抑制効果を示した阻害因子の発現解析 (2)で高い増殖抑制効果を示した因子について、各細胞よりタンパクを抽出し、Western blottingにて解析した。 (4)分子標的候補因子の機能解析 スクリーニングされた標的遺伝子を含むプラスミドベクターを作製し、口腔扁平上皮癌細胞にトランスフェクションを行い、細胞増殖、遊走能、抗癌剤感受性についてMTTassay, migration assay等を用いて機能解析を行った。 11種類の細胞に対して標準阻害剤キットを作用させ、その増殖抑制効果を網羅的に解析した結果、増殖抑制効果の高い薬剤を抽出することができ、STAT3阻害剤であるJSI-124は口腔扁平上皮癌細胞のアポトーシスを誘導し、口腔扁平上皮癌細胞に対して有効な分子標的治療薬になりうることが示唆された。
|