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2008 年度 実績報告書

新奇細胞間蛋白質による象牙芽細胞の分化機構の解明とその制御

研究課題

研究課題/領域番号 20791583
研究機関九州大学

研究代表者

岩本 勉  九州大学, 大学病院, 助教 (90346916)

キーワード歯胚形成 / 細胞間結合 / TI-3
研究概要

われわれは歯胚形成メカニズムを明らかにする目的で歯の遺伝子ライブラリーの作成を行い、歯の発生に関わる遺伝子の包括的な解析を行っている。これまで歯の発生に重要な機能を持っている考えられる約100個の遺伝子を選定し、それらの発現を確認するためにRT-PCR法を用いて、他の組織と比較し、歯に発現の高い遺伝子のスクリーニングを行った。その中で3つの新奇遺伝子(これらに暫間的にTM14、TI-3、TI-4と名付けた)について着目した。
TM14は、fibulinと相同性のある新奇のFibulin familyに属する細胞外マトリックス蛋白で、Fibulin 7と命名した。組織間においては歯に発現が強くみられ、とくに象牙芽細胞に発現しており、細胞接着に関わっていることを明らかにした。
TI-3は、硬組織(歯、軟骨、骨)に発現が強い新奇の細胞-細胞間結合蛋白質である。その発現をin situhybridization法にて解析を行ったところ、歯においては、象牙芽細胞、とくに前象牙芽細胞に限局した特異的な発現を示した。また、長管骨成長板においては、前肥大軟骨細胞に特異的にその発現が認められた。それぞれの歯、軟骨の分化モデルである象牙芽細胞(mDP6)、軟骨様細胞(ATDC5)の各細胞株を用いて、それぞれ分化させるとTI-3が誘導されることが明らかとなった。
これまでに硬組織に特異的な細胞-細胞間蛋白質の報告はなく、この遺伝子の解析は歯の発生にとどまらず硬組織形成メカニズムを明らかにするうえで重要な遺伝子になると考えている。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Fibulins, multiple roles in matrix structures and functions2009

    • 著者名/発表者名
      S. de Vega, T. Iwamoto, et.al.
    • 雑誌名

      Cell Mol Life Sci (In press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Presurgical treatment of cleft lip and palate in Aicardi syndrome : A case report2009

    • 著者名/発表者名
      Iwamoto T, et.al.
    • 雑誌名

      PEDIATRIC DENTAL JOURNAL 18(2)

      ページ: 204-209

    • 査読あり
  • [雑誌論文] PDGF regulates salivary gland morphogenesis via FGF expression2008

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto S, Iwamoto T, et.al.
    • 雑誌名

      J Biol Chem 283(6)

      ページ: 3385-3391

    • 査読あり
  • [学会発表] Characterization of pannexin 3 as a regulator of chondrocyte differentiation2008

    • 著者名/発表者名
      Iwamoto T, et.al.
    • 学会等名
      The 86th General Session of the International Assorciation for -Dental Research
    • 発表場所
      Toronto, Canada
    • 年月日
      2008-07-03
  • [学会発表] Identification and Characterization of a New ECM Protein, TM14 (Fibulin-7)2008

    • 著者名/発表者名
      S. de Vega, T. Iwamoto, et.al.
    • 学会等名
      The 86th General Session of the International As sociation for Dental Research
    • 発表場所
      Toronto, Canada
    • 年月日
      2008-07-03
  • [学会発表] 細胞間結合を利用したエナメル芽細胞の分化制御法の開発2008

    • 著者名/発表者名
      山田亜矢、岩本勉, 他
    • 学会等名
      第46回日本小児歯科学会学術大会
    • 発表場所
      埼玉
    • 年月日
      2008-06-12
  • [学会発表] 歯の形態形成におけるインテグリンと基底膜の相互作用2008

    • 著者名/発表者名
      福本敏、岩本勉, 他
    • 学会等名
      第40回日本結合組織学会学術大会、第55回マトリックス研究会大会合同学術集会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-05-29

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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