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2009 年度 実績報告書

メカニカルストレスによる歯周組織から誘導されるヒト歯根吸収抑制因子の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20791587
研究機関北海道医療大学

研究代表者

岡山 三紀  北海道医療大学, 歯学部, 助教 (30382500)

キーワードメカニカルストレス / 歯の移動 / 歯周組織 / 歯根膜細胞 / リン酸化 / プリン受容体
研究概要

【目的】歯に加えられた矯正力(メカニカルストレス)は、歯根膜細胞を介して何らかの情報が歯槽骨等に伝達され、歯周組織のリモデリングの結果、歯の移動を生じる。本研究では、メカニカルストレスの一つである重力負荷に対する歯根膜細胞のシグナル応答を、細胞内にリン酸化シグナルを伝えるMAPキナーゼの一つである、ERKのリン酸化を指標として検討した。
【資料および方法】矯正治療のため抜去した小臼歯からヒト歯根膜細胞を分離し使用した。今回の実験には、5~8継代目の細胞を使用した。分離したヒト歯根膜細胞を12wellプレートにて、コンフルエントになるまで培養した。その後、低速遠心機によりCO2インキュベータ内で重力を7G~25Gで5分間負荷し、ERKのリン酸化を抗リン酸化抗体を用いウエスタンブロット法にて検討した。また同時に、ATP(10μM)の添加によるERKのリン酸化の検討も行った。
【結果および考察】歯根膜細胞に重力を負荷すると、加重と負荷時間に依存してERKのリン酸化が認められた。5分間重力負荷によるERKのリン酸化は、ATPaseであるapyrase、およびプリン受容体阻害剤のsuraminによって阻害され、また培養液にATPを加えても同様の反応が見られた。ERKのリン酸化はイオノマイシンでも認められたが、培養液からCa^<2+>を除いても重力とATPによるERKのリン酸化には影響しなかった。ATPは細胞膜上のプリン受容体に結合し、シグナルを細胞内に伝達する。プリン受容体には、P2X(カルシウム流入)とP2Y(Gプロテインシグナル)の二つがある。以上のことから、重力負荷によるERKのリン酸化シグナルには、P2Y受容体の関与が示唆された。
【結論】歯根膜細胞における重力負荷は、細胞からATPを放出しP2Yタイプのプリン受容体を介してERKのリン酸化を促進していることが示唆された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Clinical Statistics of 43 Cases using Midpalatal Implants and Application of Collagenous Sponge for Bone Defect after Removal of Implants2009

    • 著者名/発表者名
      MURATA Masaru, OKAYAMA Miki, HINO Jun, ITO Katsutoshi, MIZOGUCHI Itaru, ARISUE Makoto
    • 雑誌名

      Journal of Hard Tissue Biology 18(4)

      ページ: 185-192

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Role of VAMP8/endobrevin in Constitutive Exocytotic Pathway in HeLa Cells2009

    • 著者名/発表者名
      Miki Okayama, Toshiya Arakawa, Akihiko Tanimura, Itaru Mizoguchi, Yoshifumi Tajima, Taishin Takuma
    • 雑誌名

      Cell structure and function 34(2)

      ページ: 115-25 Epub

    • 査読あり
  • [学会発表] 口蓋インプラントを用いて上顎歯列弓遠心移動を行った再治療症例2009

    • 著者名/発表者名
      岡山三紀、村田勝、田崎純一、溝口到
    • 学会等名
      第68回日本矯正歯科学会学術大会
    • 発表場所
      福岡国際会議場(福岡県)
    • 年月日
      20091116-20091118
  • [学会発表] 重力負荷による歯根膜細胞のシグナル応答機構2009

    • 著者名/発表者名
      伊藤麻衣、岡山三紀、荒川俊哉、田隈泰信、溝口到
    • 学会等名
      第68回日本矯正歯科学会学術大会
    • 発表場所
      福岡国際会議場(福岡県)
    • 年月日
      20091116-20091118
  • [学会発表] ウミホタル・ルシフェラーゼ安定発現細胞を用いたSNAREの機能解析2009

    • 著者名/発表者名
      岡山三紀, 設楽彰子, 荒川俊哉, 溝口到, 田隈泰信
    • 学会等名
      第83回日本生化学会
    • 発表場所
      神戸国際会議場(兵庫県)
    • 年月日
      20091021-20091024
  • [学会発表] W-View光学系を用いた構成的開口分泌関連v-SNAREの網羅的解析2009

    • 著者名/発表者名
      設楽彰子、岡山三紀、荒川俊哉、溝口到、田隈泰信
    • 学会等名
      第51回歯科基礎医学会学術大会
    • 発表場所
      新潟コンベンションセンター(新潟県)
    • 年月日
      20090909-20090911
  • [学会発表] 歯根膜細胞の重力負荷に対するシグナル応答機構2009

    • 著者名/発表者名
      伊藤麻衣、荒川俊哉、設楽彰子、岡山三紀、溝口到、田隈泰信
    • 学会等名
      第51回歯科基礎医学会学術大会
    • 発表場所
      新潟コンベンションセンター(新潟県)
    • 年月日
      20090909-20090911

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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