研究概要 |
【目的】 様々なレーザーが, 歯科領域でも実用化されており中でも半導体レーザーは810nmの波長で様々な生体活性を有することが報告されている。そこで我々は, ラット皮質骨に対して半導体レーザー照射することで骨再生にどのような影響を及ぼすかをマイクロCTおよび病理組織学的検討を行い, その有用性を確認した。 【試料および方法】 生後10週齢のWistar系ラット(雄約200g)を実験に供した。大腿骨関節頭を露出させインプランター(滅菌生理食塩水注水下)を用いて, 皮質骨の長軸に対し垂直に直径2.0mm深さ5.0mmの孔を形成した。滅菌生理食塩水にて洗浄後, 形成した孔に滅菌済みの直径2.0mm長さ15.0mmの純チタン棒を埋入し縫合した。埋入後14日経過したラットに再び混合麻酔を行った。除去後, 半導体レーザー照射(OSADA LIGHTSURGE-3000, 長田電機工業社製)を孔の底面に垂直となるように照射を行った。なお無照射群をコントロールとした。マイクロCT再構成は, i-viewR^0(Rigaku社製)にて再構成を行った。病理組織群は, 照射後7日, 照射後14日, 照射後28日に腹腔内麻酔を行った後, 灌流固定を行った。病理組織学的検討は, 通法に従い, 脱灰後パラフィン包埋した。H. E. 重染色を施し, 骨様組織形成を評価した。 【結果および考察】 マイクロCT レーザー照射14日後ごろから皮質骨と比較すると低濃度な石灰化物が確認された。また照射後28日で, 14日と比較すると高濃度な石灰化物が確認された。無照射群では, レーザー照射群と比較すると骨組織の形成は少なかった。 病理組織像 照射後28日で骨様硬組織の形成が認められた。無照射群はレーザー照射群と比較すると骨様硬組織の形成はわずかであった。照射群もレーザー照射があたった孔の底面から骨の再生が確認された。
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