本研究では、自己組織化マップ(SOM)を用い、単一のノルムに依存しない新しい矯正診断システムの構築を目的とした。方法として、矯正治療後の成人女性109名を対象に、側面セファログラムを資料とし、硬組織19個の計測点の座標値から入力データを作成し、4×4個の計算ユニットを持つSOMで反復学習を行った。 1万回の学習後に各ユニットの情報を視覚化したところ、下顎の前後・垂直的位置、上下顎切歯の前後的位置に違いがみられ、特徴の異なる16パターンが視覚化された。これらの硬組織側貌のバーチャルパターンをもとに、初診時の分類を行えることが示唆された。
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