研究概要 |
平成21年度は、昨年度確立したラットロ蓋骨欠損モデルの作製および移植した骨の定量的評価法に基づき結果をまとめることを目的に研究を実施した。 ラットロ蓋骨欠損モデルの作成と骨移植方法については、昨年度に確立した第一臼歯部の口蓋部粘膜を剥離し、直径1mmの半球状にラウンドバーにて口蓋骨を削除する手技を実施し資料を作製した。 病理組織学的検索として、ラットを1.コントロール群(フィブリン糊+移植骨のみ)、2.コントロール+BMP2投与群、 3..Sham群(コントロール+BMPの溶媒であるHC1を投与したもの)の3群に分けて行った。2Wで屠殺した試料の病理組織学的検索は、通法に従いパラフィン包埋後Hematoxylin-Eosin染色を行い、光学顕微鏡にて観察した。結果は、1.では炎症細胞浸潤と若干の腐骨様の像を認めたが2.では炎症細胞浸潤が軽度で骨吸収も少ないような像を得た。3.は最も治癒が遅れており炎症所見が多く腐骨も多数見られ、強い骨吸収の像を得た。このことから、BMP2が骨増生に良好な結果を示すと考えられた。さらに新生骨の評価のため、マッソントリクローム染色を試みたが新生骨を特異的に染色している像が不明瞭なため違う評価方法を検討中である。 現在、移植骨の高さを計測するため、骨移植術後1W、2Wの早い週で評価を行う計画で実験中である。同時に電子プローブマイクロアナライザー(EPMA)をもちいて、Ca,Pの分布を観察し生着状態を評価する方法についても現在開始するところである。
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