研究概要 |
平成22年度は、昨年度確立したラット口蓋骨欠損モデルに移植した骨の高さの定量的評価に関する結果をまとめることを目的に研究を実施した。 ラット口蓋骨欠損モデルの作成と骨移植方法については、一昨年度に確立した第一臼歯部の口蓋部粘膜を剥離し、直径1mmの半球状にラウンドバーにて口蓋骨を削除する手技を実施し資料を作製した。 移植骨の高さの変化を計測と病理組織学的検索として、ラットを1.コントロール群(フィブリン糊+移植骨のみ)、2.コントロール+BMP2投与群、3.Sham群(コントロール+BMPの溶媒であるHClを投与したもの)の3群に分けて行った。移植骨の高さの変化は、移植術後1W、2Wの早い週で軟エックス線写真を撮影して計画したが変化を確認できなかった為、当初の計画の8wより短く1,2wより長い3w、4wでも計画する予定である。 2Wで屠殺した試料の病理組織学的検索は、通法に従いパラフィン包埋後Hematoxylin-Eosin染色を行い、光学顕微鏡にて観察した。結果は、1.では炎症細胞浸潤と若干の腐骨様の像を認めたが2.では炎症細胞浸潤が軽度で骨吸収も少ないような像を得た。3.は最も治癒が遅れており炎症所見が多く腐骨も多数見られ、強い骨吸収の像を得た。このことから、BMP2が骨増生に良好な結果を示すと考えられた。今後は、電子プローブマイクロアナライザー(EPMA)をもちいて、Ca,Pの分布を観察し生着状態を評価する方法についても開始するところである。
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