研究概要 |
歯周疾患の増悪因子となる活性酸素種(ROS)に対する唾液の抗酸化能(消去能)の解析を行い、唾液提供者の年齢や口腔状態などとの相関性を検討することにより新規歯周疾患評価指標の構築を最終目標とし以下の実験を行った。 【実験1】唾液の抗酸化能の解析 (1) スーパーオキサイドアニオンラジカル(O_2^-)に対する消去能の解析 : O_2^-は二酸化チタン光触媒反応に過酸化水素を添加することにより産生させ、さらにO_2^-の捕捉剤として5-(2, 2-dimethyl-1, 3-propoxy oyclophosphoryl)-5-methy-1-pyrroline N-oxide(CYPMPO)を用い、発生系に唾液を添加することによりO_2^-に対する抗酸化能を解析した。その結果、被験唾液全てにおいて27.3〜85-1%のO_2^-消去能が確認された。 (2) ヒドロキシルラジカル(OH')に対する消去能の解析 : OH'は二酸化チタン光触媒反応に過酸化水素を添加することにより産生させ、さらにOHの捕捉剤としてCYPMPOを用い、発生系に唾液を添加することによりOH'に対する抗酸化能を解析した。その結果、被験唾液全てにおいて9.4〜94.596のOH'消去能が確認された。 【実験2】唾液抗酸化能と歯周疾患評価関連指標の関連性の解析 (1) 年齢との相関性 : O_2^-、OH'消去能は年齢の増加とともに上昇傾向が観察された。 (2) Community Periodontal Index(CPI)との相関性 : O_2^-、OH'ともに認められなかった。 (3) Probing Depth : O_2^-、OH'消去能はProbing Depthの増加とともに上昇傾向が観察された。
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