目的 : 現代社会におけるマスメディアの影響力は大きく、特にテレビの情報伝達媒体力は最も大きいとされる。近年、多くの人々が健康情報を得るための重要な手段としてのマスメディアの重要性が保健医療分野においても認識されるようになり、医療情報を分析した研究が近年報告されるようになってきた。本研究では、テレビを通じた口腔保健関連情報のうち、公共性の高い機関から提供される情報を分析した。 結果 : 番組のテーマごとに分類したところ、歯周疾患に関連したものが68件と最も多く、次いで摂食・咬むことの重要性を述べたものが60件、口腔と全身疾患との関連が57、う蝕が52件、地域保健活動の紹介が47件、口腔と栄養・食事との関連(食育)が46件、学会・イベント・記念日・活動などの紹介が38件であった。健康情報提供の対象者としては、子供も成人も含めた一般人を対象としたものが226件と最も多かった。次いで高齢者を対象としたものが141件、成人が86件、学童・幼児が57件であった。 考察 : う蝕や歯周病などの歯科の二大疾患に関する情報提供が多かったが、う職よりも歯周病に関するものが多く、また、歯科の二大疾患だけでなく口腔と全身の関係、摂食、食育など機能面などに着目した話題提供も多かった。今1回の対象とした日本歯科医師会から提供される歯科関連健康情報は、近年の歯科疾患の動向を反映しているものになっていた。
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