本研究では、創傷治癒を阻害せず、創感染を鎮静できる物質として銀イオン(Ag+)に注目し、銀イオン含有ドレッシング材を用い検討を行った。初年度は皮膚潰瘍創実験モデル(ラット背側皮膚に開放創を作成し、緑膿菌PAO1株接種後、閉鎖環境においた状態)の作成を実施した。次年度はモデルの創部における銀イオン含有ドレッシング材の効果を検証した結果、滲出液の少ない状態では、銀イオンに含まれる抗菌作用が適切に得られなかった。このことから、創部環境のアセスメントを誤ると、ドレッシング材が有する作用が適切に得られない可能性が示唆された。
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