研究概要 |
本研究の目的は看護学生の看護技術力および看護実践能力を高めるために、成人看護学急性期実習の実習前教育としてシミュレータ教材を用いて看護技術習得教育プログラムの開発を行うことである。 対象は急性期看護学実習の実習開始前の学生65名である。方法は看護技術習得プログラムとして作成した「全身麻酔で手術を受けた患者の術後管理」技術項目30項目をシミュレータ教材を用いて実施し、学生の実施状況と実習場面で有用性を調査した。 結果は、術後管理技術30項目中、学生が実習中に受け持ち患者に実施できた技術が80%以上であった項目は26項目あり、多くの術後管理技術を患者に提供できていたことが分かった。「血圧測定」、「疼痛の確認」は全ての学生が実施できていた。また実践に際しすべての学生が「役立った」技術は、「呼吸音聴取の順序」、「腹部の聴診」、「悪心・嘔吐の声かけ」、「ホーマンズサイン」であった。これにより実習前演習として実施した「全身麻酔で手術を受けた患者の術後管理」は,学生の実習に対する準備性を高め,看護技術力向上の一助となった。
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