現在、病院(施設を含む)では、病院独自の看護用語が使用されており、標準化された看護用語を使用するには、病院で使用している看護用語と標準化された看護用語をマッチングするという病院側にもシステム開発企業側にも大きな負担となる作業が必要である。そこで研究者は、看護師が簡単にマッチングできる標準看護用語マッチングツールを平成17・18年度に作成し一部機能の評価を行った。本研究では、既に作成した標準看護用語マッチングツールの実装試験および全機能の評価と検証を行い、標準看護用語マッチングツールの有用性、信頼性を明らかにし、標準看護用語マッチングツールの修正を行うことが目的である。 そこで、平成20年度は、標準看護用語マッチングツールの評価・検証を複数の施設で行うため、兵庫県立大学看護学部研究倫理委員会の承認を得て、研究協力施設の選定と協力依頼を行い、1施設より承認を得ることができた。その施設で働く看護師に、標準看護用語マッチングツールの「インストール→マスタ設定→データの取り込み→マッチング」の一連の作業を、取り扱い説明書を用いながら行ってもらい、わかりやすさ、使いやすさなどのマッチングツールの操作性とマッチングに要する時間、精度など、機能について評価を行ってもらった。 また、このツールで使用する標準看護用語は、MEDIS-DCにより公開されている看護実践用語標準マスター〈看護行為編〉〈看護観察編〉としているが、平成20年12月にマスターの更新が行われたため、それに合わせて、標準看護用語マッチングツールの標準看護用語マスタ2種類も新たに作成し直した。
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