質カイゼン活動の事前効果検証法の検討 昨年度作成した質問紙である、1つの質問項目に対し「サービスへの期待」と「サービスを受けた実感」の両側面からの質問を1対とした計23対46項目の質問項目を用いて分析を行った。 さまざまな方法で看護の質カイゼン活動に取り組み、特定のインディケーターを上昇させる場合、満足度の構造モデルがどのように変化するのかを取り組みを始める前に予測できることは、効果効率的な看護の質カイゼン活動を行うために有用である。このため本年度は、シミュレーションを用いて特定のインディケーターを操作することでモデルの変化を再現できるかを検証した。またこれらのプロセスを通して、シミュレーションによるモデルの検証法の有効性を検証することを目的とした。 ローデータを基に井上山田用いてシミュレーションによりデータを生成したものを用い、7つの潜在変数から成る3階層のモデルを成立させた。また、得点の高い群と低い群に分け、各パラメーターの変化を分析した。さらに、最上位の潜在変数 である『患者の看護サービス満足度』から間接効果が最も大きい観測変数である「技術を適切に選んで使う」の平均得点を1よりも大きくしてシミュレーションしたところ、先にあげた満足度が高い層のモデルに近づき、シミュレーションを用いて特定のインディケーターを操作することでモデルの変化を再現できたといえる。このプロセスにより、何らかの質カイゼンプログラムを行う前にある程度の効果予測を行う手法へと応用出来ると考えている。 具体的な質カイゼン活動モデルの検討 看護サービスの受給者と提供者の両者の満足度を用いた質カイゼンモデルの方策として、現任教育に注目し、看護管理者、スタッフナース、CNSにヒアリングを行った。この結果等を基に臨床現場の再構成からの振り返りが有用ではないかと考えている。次年度は、この内容に関して具体的な方策を検討し、実施していく。
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