本年度は文献検討を行った。医中誌Web ver.4において、「自律神経活動」と「看護ケア」をキーワードに1999年から2009年の間の原著論文・総説を検索した結果、12件が検索された。その内容は、様々であったが自律神経活動は看護ケアの効果を測る測定項目として用いられていた。自律神経活動の指標としては、心拍変動を用いている研究が12件中9件であった。交感神経活動の指標としては、心拍変動のLF/HFや唾液アミラーゼ活性値を用いており、副交感神経活動の指標としては心拍変動のHFを用いていた。また、「自律神経活動」と「感情」による検索では47件が検索され、さらに「副交感神経活動」と「感情」では10件が検索された。10件中6件において客観、的指標と主観的指標を用いており、副交感神経活動が優位な場合はリラックスした状態であり、交感神経活動が優位の場合は不安や緊張がつよい状態としていた。主観的尺度は、VASによる快-不快や緊張-不安などの項目やリラクゼーション尺度(解放感や脱力感)が用いられていた。以上の結果から従来述べられていたとおりの指標として自律神経活動が使用されていることが分かった。現段階では副交感神経活動の優位は快やリラックス、解放感等の感情を示すことが示唆されている。今後は海外の研究論文の検索も行っていく予定である。
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