国内外の疲労及び胃がんに関する先行研究を収集し、疲労の各分野における定義や枠組みなどに加え、胃がん患者の社会復帰に関する知識を深めた。収集した先行研究は、内容を吟味し、カテゴリー化し、来年度内に論文として学術雑誌に投稿する予定である。 胃がん患者の退院後の食事内容や心理状態を把握するための面接を実施するにあたり、半構成的質問紙を作成した。質問紙の内容は、基本情報(年齢、職業、家族構成、キーパーソンの有無、就業状況)、食に関する内容(食欲、食事回数、食事内容、調理する人の有無、食事に対する満足度)、術式に伴う症状(嘔気嘔吐、つかえ感、逆流症状、気分不快、下痢)、現在の生活における不安(食事について、就業について、予後について、その他の不安について)、退院後の大きな喪失体験(家族親族の死など)、から構成した そして、作成したインタビューガイドに準じ、半構成的面接調査を実施した。期間は、退院時から第2回目の外来受診とした。面接の実施時期は、患者と直接接見できる機会を考慮し、退院時、退院後第1回目外来受診日、退院後第2回目外来受診日の3回とした。退院時面接は、患者の基本情報を得て、自宅に帰る前の栄養状態・心理状態を把握するために、必要であると判断した。なお基本情報に関しては、初回の面接時に得られた情報が、その後の2回の面接の際に変更がある項目についてのみ回答してもらうものとした。また、測定器機や自己記録用紙を用いて、患者の消費エネルギー量・食事摂取量を調査したが、研究対象となる症例数が少なく、平成20年度内に予定していた調査件数を満たす事が出来なかった。平成21年度も、引き続き調査を続け、予定数である10名のデータ収集に努める。平成20年度は、分析までには至っていない。
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