平成21年度においては、インターネットテレビ電話システム使用に関するマニュアルの作成とテレメンタリング技法確立のためのマニュアルを作成した。糖尿病患者に協力依頼し、自宅におけるインターネットテレビ電話でやりとりするためのWEBカメラ設置から使用にあたる問題点の有無を確認し、マニュアルの暫定版を作成した。研究者と糖尿病患者間において2~3回のテスト交信を行うことによって、テレメンタリング技法を習得してもらい、さらに修正加筆をすることで技法確立のためのマニュアルを作成した。フットケア外来に通院している患者においては、次回診察予約日までの期間に何らかの異常が起こった場合、研究者(フットケア実施者)とWEBカメラを通してやりとりができるため、靴擦れなど小さな足病変が生じた際に、皮膚状態を視覚的に評価し、重症化しないようなケア方法をWEBカメラを通してタイムリーに指導することが可能となる。さらに、悪性のインフルエンザの流行時など、通院により感染の危険性がある場合や、心身に障害があり通院が困難な場合などにも応用できると考えられる。 平成22年度においては、フットケア外来通院中の糖尿病患者に対して、インターネットテレビ電話システムを用いたフットケア介入を6ヵ月間以上継続して適用し、その有効性を検討する予定である。また、本研究の成果によっては、フットケア介入のみならず、他の疾患の臨床介入にも応用できると考えられる。
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