本研究の対象が入院中の患者であるため、研究倫理審査が必須である。所属機関の研究倫理委員会より、平成20年8月に承認を得ることができた。その際に患者から承諾を得るための研究説明書および研究同意書をわかりやすい言葉で作成することに留意した。本研究では気管内吸引手技の統一が重要であるため、気管内吸引に関する最近の知見を文献により調査。研究計画書に挙げた手技での実施で問題がないことを確認し、ビデオカメラで手技の撮影を行った。これは研究に協力してもらう看護スタッフへの手技の説明時に文書のみではわかりにくいために使用するためのものである。また、研究実施時に使用するデータ収集のフォーマット(術前・術中・術後の患者情報の記載用紙と、気管内吸引前後の各種パラメーターの記載用紙)を作成した。平成21年1月に、当初予定していた研究実施機関(聖路加国際病院)のICU看護師長とアポイントをとり、フィールドリサーチを行ったが、スタッフの協力が得られにくいという事情と本研究の対象としている冠動脈バイパス術の症例数が少ないということから急遽実施機関の変更を余儀なくされ、所属機関の附属病院である順天堂医院の心臓血管外科教授とアポイントをとり、研究実施の内諾及び協力体制の確約を得た。続いて同医院看護部と該当病棟の看護師長にも研究実施の内諾を得た。現在、順天堂大学医学部附属順天堂医院の規定に基づき、研究倫理審査中である。承認が得られ次第、即データ収集を開始する。今年度の計画ではプレテストを含め5例ほどのデータ収集を予定していたが、研究実施機関の決定に時間を要したため、次年度へ繰り越しとした。
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