生体肝移植特有の疾患特異的QOL尺度を開発し、術前から術後繰り返しQOLを測定することにより、生体肝移植レシピエントのQOLの推移を明らかにし、今後の臨床での情報提供やケアに役立てていく必要があると思われる。そこで本研究では、レシピエント・ドナーとその家族及び移植医療従事者への詳細な面接を行い、生体肝移植レシピエントの疾患特異的QOL測定尺度を開発し、その尺度を用い生体肝移植レシピエントのQOLを術前から術後繰り返して測定し、QOLの推移とその関連要因を明らかにすることを目的とした。 前年度に引き続き、生体肝移植レシピエントの疾患特異的QOL尺度の開発に向けての、インタビュー調査を継続した。生体肝移植を受けた20歳以上の成人レシピエント・ドナーとその家族、移植医療経験のある医療従事者を対象とし、その際、性別・年齢・術後期間・原疾患・ドナーとの続柄、移植医療に従事している年数、職種などの背景が多様となるように努めた。 同意を得たうえで、インタビュー内容を録音し、録音した面接内容の逐語録を作成、それぞれの項目において内容を詳細に分類し、系統的に記述した。今後、その結果と先行研究及び国内外の学会などで収集した情報を元に、質問紙(案)を作成し、複数の移植医・移植コーディネーター・移植看護経験者・肝移植後レシピエントによる評価を行い、必要時修正を加える予定である。
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