研究課題
平成20年度の調査では、オーラルアセスメントツールを構成する質問項目を検討するため構造方程式モデリングを行い、味覚感度に関する6項目、口腔内乾燥症状に関する5項目、口腔粘膜炎に関する5項目、喫煙に関する3項目、年齢に関する2項目、口腔ケアに関する3項目、唾液分泌量の日内変動に関する2項目、鎮痛剤の使用に関する2項目の8因子、28項目からなる5段階評価スケールを作成した。この結果をふまえ、平成21年度の調査は、本邦の208名の口腔癌患者を対象として、患者の食思傾向を判断するオーラルアセスメントツールの信頼性・妥当性を検証した。まず8次元、28項目の信頼性は、折半法でSpearman-Brown法の公式により算出した信頼係数は0.78であり、アセスメントツールの信頼性が確認された。構成概念妥当性については、当初、仮説的概念を8因子にしていた。しかし、項目を除外していく中で因子的妥当性により適合するモデルが示唆され、最終的には7因子となった。基準関連妥当性については、オーラルアセスメントツール得点とAppetite Assessment Scale of Cancer(癌患者の食欲尺度35項目)得点との相関係数を算出したところ、両者の総得点の間には総じて有意な正の相関が認められた。なお、各施設間、対象者の年齢、性別、喫煙の有無、義歯装着の有無別にアセスメントツール平均点をMann-Whitney U testを用いて比較したところ、施設間や対象属性と得点間に有意な差は認められず、これによりアセスメントツールが施設間および対象属性から影響されないことが確認された。
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