近年、医学・薬学の分野では抗リウマチ薬や生物学的製剤などの治療薬が開発され、関節リウマチ(Rheumatoid Arthritis:以下RAと略す)患者の治療には期待が持てるようになった。しかしながら、早期RA患者に対するリハビリテーションや看護については未だ効果的なアプローチ方法が解明されていないため早急な対応が必要である。本研究は、発症から約1年以内の早期RA患者が辿る心理過程と自己管理行動に影響を与える要因を分析することにより、早期RA患者への効果的な患者指導・教育の方法を見出すことが目的である。 平成21度は、早期RA患者の自己管理行動を決定づける要因と阻害する要因の分析に関する予備調査、早期関節リウマチ患者に関わる医療従事者(主に看護師を対象に)の患者指導及び教育に対する認識についての予備調査を実施した。内容は、1.文献検討(RAやリハビリテーション、質的・量的研究方法に関する書籍の購入)、2.調査依頼先の選択・協力依頼、3.研究方法の再検討、4.情報収集1)RA・看護・リハビリテーション・質的・量的研究方法に関する学会及び研修会への参加、2)早期RA患者の看護の経験がある看護師、質的・量的研究の経験のある学識経験者、M-GTAの専門家との情報交換(研究計画、分析方法等について)などである。文献検討や情報収集など予備調査を行ったことにより、早期関節リウマチ患者の自己管理に関する具体的な研究の方法について検討することができた。 次年度は、データ収集、分析を継続して行い、成果発表につなげたいと考える。対象者が発症1年未満の早期RA患であるため、その対象の希少性ゆえ、対象者の確保が十分に行えていないことが課題である。次年度も引き続き、調査依頼先の医療施設と調整し、データ収集を行っていきたいと考える。
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