研究概要 |
1.文献収集と文献レビュー:分娩直後の母子の早期接触に関する文献収集をおこない,その効果や評価の指標・愛着形成に影響を及ぼす要因について考察した。また,出生直後の新生児の行動評価のスケールと成り得る反応・要素の再確認をおこなった。その結果,研究方法として参加観察法を用いることや,観察時間についての手法について,科学的な根拠をもとに見直しが必要であると確認できた。その後,研究方法の再考をし,内容を一部修正した。 2.倫理審査:新潟大学医学部の倫理審査にて承認された。 3.研究対象者の確保:正常分娩を扱っている産科施設に,研究の目的やデータ収集方法について説明し,研究対象者の確保に向け依頼をおこなった。 4.母子の愛着形成に関する心理学的側面からの助言:母子の愛着形成に関するこれまでの研究成果や,新生児が生まれながらにもつとされる能力について助言を得た。出生直後に焦点を置いた研究はこれまで困難であり,助産師という専門職を生かしたデータ収集や観察視点が見込まれるという示唆を得た。 5.新生児の行動評価指標の洗練化を図るための助言:新生児の行動評価指標の洗練化を図るための助言を得,既存の評価スケールを参考にしながら,評価視点を再考していくことが必要となるのではないかという考察ができた。 6.次年度の課題:今年度得られた要素を基に,参加観察法を用いてデータを収集し,その中から行動評価スケールを再度試作し,引き続き出生直後の新生児の行動評価観察と母親の児への愛着尺度・自己効力感調査を出生時・退院時・1ヵ月健診時に経時的にデータの収集を行なう。その結果の分析から,評価スケールの信頼性・妥当性を検討し,スケールの洗練をおこない開発を目指す。
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