1. 「初妊婦と実母との関係性尺度」の開発と信頼性・妥当性の検討 初妊婦がとらえる実母との関係性を評価する「初妊婦と実母との関係性尺度(Primigravida-Mother Relationship Scale)」の開発と信頼性・妥当性の検討を行った。看護系学会に投稿し、現在査読中である。この尺度は、初妊婦がとらえる実母との関係性の評価を可能にし、加えて次年度に作成予定の「実母がとらえる初妊婦との関係性尺度」の基盤となるため、意義ある成果である。 2. 実母がとらえる初妊婦との関係性についての質的研究 実母がとらえる初妊婦との関係性を明らかにし、初妊婦が母親になるために必要な実母の役割について検討するため、20名の実母に半構成的面接を実施した。面接内容を逐語録にし、KJ法を参考に分析を行った。分析の妥当性確保には、母性看護の大学教員2名、大学院生3名、および臨床経験10年の助産師1名のスーパーバイズを受けた。逐語録から意味のとれる一文(1544)を作成し、類似性に基づく分類からラベル(135)を作成した。さらに分析を進め、小カテゴリー(20)、中カテゴリー(8)、大カテゴリー(4)が抽出された。この結果から両者の関係性尺度を開発するため、意義ある成果と考える。 3. 次年度の計画 「実母がとらえる初妊婦との関係性尺度」を作成し、信頼性・妥当性を検証する。さらに、初妊婦と実母を対象に質問紙調査を実施し、初妊婦の母親役割取得における実母の影響の検討を行う。
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