小児がんと診断を受け集学的治療の結果、成長期の子どもたちには、長期的なフォローアップが必要となる。国立病院機構名古屋医療センターの小児科長期フォローアップ外来では小児血液腫瘍専門医に加えて、小児内分泌専門医、産婦人科医、泌尿器科医、口腔外科医、精神科医、臨床心理士、専任の看護師も診療に参加している。そこでの経験を踏まえて、2010年9月より、京都大学医学部附属病院小児科においても小児がん患者のための長期フォローアップ外来を開設することができ、当該患者自身の声を収集し、同時に情報提供を進めている。妊娠や性に関しての質問も多いため、性科学学会への参加等により、がん患者の性についての情報収集も引き続き行っている。 また、当該患者だけではなく、きょうだいへのフォローも必要であると感じ、第8回日本小児がん看護学会においてワークショップを企画し、「すすめよう、きょうだい支援」と題し、開催した。臨床現場で、実際に当該患者とその家族に関わっている看護師や医師たちから反響を得た。 昨年に引き続き、近畿小児がん研究会看護部門と協力し、入院・治療中の白血球減少時の食事・捕食に関するガイドラインを作成するための準備も、同時進行中である。 さらに、2011年2月にハワイ(ホノルル)で開催されたBMT Tandem Meetings(米国骨髄移植会)に参加し、諸外国での入院環境、入院中及び退院後の様々なフォローアップの情報収集、情報交換を行ってきた。小児がんの子どもおよび経験者自身の意識とニーズの調査、ならびに親・きょうだいへの意識調査より、当該患者の今後のケアのあり方を考察し、適切な時期に情報提供を行えるよう、サポート環境を整えていくことが求められている。
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