研究概要 |
昨年に引き続き、文献レビューを繰り返しながら、積極的に国内外の関連学会へ参加し、新たな知見を得た。さらに研究者との情報交換によって、今後の研究動向を探り、概念枠組みを完成させた。また十分にプライバシーに配慮しながら、在宅中心静脈栄養(HPN)を実施している子どもを抱える親を対象として実施したインタビューにはUwe, F.(2009)の内容分析プロセスモデルを用いて、カテゴリーの質的基準を適応させ、統合させた。一連の分析に対しては、大学院生、臨床ナース、小児看護専門とする教員、スーパーバイザーから構成された定期検討会にて検討を重ね、抽出されたカテゴリーの質的妥当性を確保した。インタビューの分析から、HPNを実施する子どもを持つ親は、「I have(External Supports)」「I am(Inner Strengths)」「I can(Interpersonal and Problem-Solving Skills)」要素からレジリエンスを発揚させており、各要素間には相互作用が働いていることを明らかにした。得られた結果に対して、発表準備を進めており、英語雑誌へ投稿準備中である。 今後は、内容分析から得られた結果と論文を併用させて、作成された親用レジリエンス尺度の質問紙項目の精度を高め、研究会で尺度の妥当性を確保し、信頼性を検証する計画である。
|