研究概要 |
女性において、むくみ(下肢浮腫)は日常的に自覚され、妊婦においても、健康な妊婦でも70〜80%、妊娠高血圧症候群妊婦では約85%に浮腫が認められるほど高頻度なマイナートラブルである。本研究の目的は、妊婦の下腿のむくみ(浮腫)を、部位別多周波生体電気インピーダンス法(SBIA法)を用いた生体水分量の測定によって、明らかにすること、また、下腿のむくみの対処法を検討することである。 平成20年度は、妊婦との比較、妊婦への応用のために、健康な成人女性に対して、下肢のむくみをSBIA法で測定し、さらに弾性ストッキングの効果について検討することを目的とした。対象は、20〜39歳の健康な成人女性8名で、研究参加の承諾が得られた者とした。所属の倫理委員会の承認を得て実施した(承認番号E-86)。データ収集方法は、コントロール日の朝と夕方(約7時間後)と、弾性ストッキング着用第1日目および第7日目の朝と夕方(約7時間後)にそれぞれ、自覚症状と下腿周囲径およびSBIA法を測定した。自覚症状は、VASスケールを用いて、下肢のむくみ感,足全体の重さ・だるさ感,下肢の冷え感,足先の冷え感,下肢の痛み,全身のむくみ・だるさ感等の回答を得た。弾性ストッキング着用後の自由回答からは、弾性ストッキングの使用によって、夕方の下肢のむくみは出にくい、あるいは改善したと回答しており、足全体の重さやだるさ感も改善したとの回答が得られた。詳細については、分析中である。
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