• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

注意欠陥多動性障害児の母親におけるマターナルアタッチメント形成プロセスのモデル化

研究課題

研究課題/領域番号 20791740
研究機関愛媛県立医療技術大学

研究代表者

真野 祥子  愛媛県立医療技術大学, 保健科学部・看護学科, 助教 (90347625)

キーワード注意欠陥多動性障害 / マターナルアタッチメント / 半構造化面接 / 情動 / 障害受容
研究概要

子育てには喜びや怒りなどの側面が含まれていることから、養育は情動体験であり、育児の中で親が用いる方略決定において、親自身の情動体験が大きな影響を及ぼす。例えばポジティブな情動体験は応答性の良い暖かい養育を促進し、ネガティブなものは虐待的な養育をもたらす。これまでの筆者の研究結果から、注意欠陥多動性障害 (ADHD) の行動特徴が母親から子どもへの愛着 (マターナルアタッチメント) 形成を妨げ、その結果、厳格な養育態度に至ることが示唆されている。マターナルアタッチメントの意識的側面は、面接によって「愛や暖かい感情」、「所有・献身・保護の気持ち」、「世話をする事の喜び」の要素で評価される。本研究では、学童期のADHD児の母親のマターナルアタッチメントの形成プロセスを、半構造化面接を用いて情動の側面から明らかにすることを目的とした。ADHD児を持つ母親の情動表出の特徴について、小学校入学前・入学後・診断後の3つのフェーズごとに検討した。母親は2、3歳頃から『ADHDの特徴による育てにくさ』を感じ、小学校入学後は『教師、保護者からの批判』を受けていたが、『学校の理解・支援』『夫との良好な関係性/夫からの支援』が得られた場合、情動面は安定していた。母親の情動体験・行動ともフェーズ間でネガティブ面の出現頻度に変化はなかったが、ポジティブ面は診断後に増加していた。診断を契機に『疾患の知識』『ピアサポート』『医師からの具体的な対応策や暖かい言葉』を得ることで、問題行動の認識の仕方が変化したと考えられた。マターナルアタッチメントの側面から見ると、ADHD児の母親の情動体験はマターナルアタッチメントと密接に関連しており、情動体験の影響要因によってその内容がフェーズによって変化しており、これが養育態度と関連していることが考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 注意欠陥/多動性障害児の行動特徴と母親から子どもへの情動表出について-診断後の半構造化面接による検討-2009

    • 著者名/発表者名
      眞野祥子、堀内史枝、宇野宏幸
    • 雑誌名

      小児保健研究 68 (1)

      ページ: 28-38

    • 査読あり
  • [学会発表] 注意欠陥/多動性障害児の母親におけるマターナルアタッチメントの形成プロセスについて2008

    • 著者名/発表者名
      眞野祥子、宇野宏幸、堀内史枝
    • 学会等名
      第50回日本小児神経学会総会
    • 発表場所
      ホテル日航東京
    • 年月日
      20080528-31

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi