研究概要 |
不妊女性へのインタビュー結果および関連文献をもとに作成した質問アイテムプールから、ソース別(夫、実親、義親、友人その他)のPositive social interaction (PSI),Negative social interaction (NSI)測度を作成した。測度の表面的妥当性を確認するため、2名の不妊治療経験者にインタビューを行い意見聴取し、2名の研究者からピアレビューを受けた。現在は、表面的妥当性および構成概念妥当性を検討するため、不妊治療中もしくは治療経験のある女性約30名を対象に、質問紙(郵送法)またはインタビューによる予備調査1)を実施中である。このプロセスをたどることで、本調査での結果の信憑性や妥当性を確保することが可能となる。 今後は、予備調査1)の結果をもとに構成概念妥当性確認のため因子分析を行う。そして約1ヵ月後に、信頼性確認のための再テストを実施する予定である。その後、PSI,NSI測度項目を精錬させ、4つのソースからのPSI,NSIと不妊女性の精神的健康との関連を明らかにする本調査を実施する予定である。 夫とのPSIに関するインタビューの分析結果として「治療過程への身体的参加」「子どもや治療への関心」「自主的な健康行動」「精神的な支え」「家事の協力・身の回りの世話」の5つのカテゴリーが明らかになり、「精神的な支え」はさらに『苦悩の受け止め』『心身への気遣い』『夫婦二人の生活の承認』『治療に対する妻の意向の尊重』から成り立っていることが明らかとなった。これらの結果については、昨年度、国際学会ICNにおいて公表し、日本助産雑誌へ論文掲載された。
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